218億円と大阪市財政局 その３ 大阪市の腐敗

毎日新聞の218億円報道ですが、また新しい情報が出てきました。

毎日新聞記者からの草稿を財政局幹部が廃棄していた事件です。11月18日の読売新聞の『「都構想」公文書、大阪市が故意に廃棄…議員には存在を隠蔽』という記事で廃棄隠蔽が明らかになったのですが、この草稿は２枚あり、そのうちの２枚目を廃棄処分していました。草稿はサーバーに残っていたらしく、大阪維新の議員により復元されました。

問題部分には『財政局の担当者は「都構想の４特別区の行政コストが今回の試算と同額になるとは限らないが、デメリットの一つの目安になる。財源不足が生じれば、行政サービスの低下につながる恐れもある」と説明している』と記載されています。

これまでに財政課長は、10月26日の毎日新聞に記載された「デメリットの一つの目安になる」という発言はしていないと否定していました。しかし、廃棄した草稿にははっきりと「デメリットの一つの目安になる」と記載されており、毎日新聞の報道前日10月25日にこの文面を財政課長は見ていたのです。これは完全な虚偽答弁であり、局長・部長・課長は日曜日に出勤し相談して廃棄処分を決めたようです。

「デメリットの一つの目安になる」という発言は、単なる情報提供ではありません。大阪市議会の委員会でも財務課長は地方財政についての新聞社からの問い合わせに回答した、説明をすれば十分理解されると思ったと発言しています。説明をしなくても財政課長の意図はしっかり市民の脳裏に焼き付きました。大阪都構想を潰したいという明確な意図の裏付けが、「デメリットの一つの目安になる」という意思表示であった訳です。だから証拠を隠滅したかった。

大阪都構想の住民投票を不成立にした大きな要因の一つである218億円記事ですが、大阪市役所内の一部には局長他２名を英雄扱いする声も上がっているらしい。本当に大阪市はどこまで腐敗しているのでしょうか。虚偽の数字を捏造し大阪市民の大切な意思決定機会を蔑ろにした者たちを英雄視するなど、市民に対する背信でしかありません。

大阪市は過去に様々な不祥事を頻発してきました。

・区役所のカラ残業
・労組によるヤミ専従
・官製談合
 ・区役所の裏金
・年収1千万円を超える交通局職員
・職員２万３０００人にスーツ支給
・公然と口利きする市議会議員
・オリンピック招致惨敗
・三セクと信託事業の失敗で数兆円の損失
・労組による市長選挙活動　他

など数え上げればきりがありません。

このようなずさんな組織が出来上がったのは、長年にわたり行政当局と市議会与党会派、職員労働組合の三者が一体となって市長を担ぎ、利権を貪る体制は「中之島一家」と呼ばれて来ました。關淳一市長から市制改革がスタートし橋下市長で大改革が行われましたが、それでも今回のような住民投票に対するクーデターを起こすとは驚愕以外のなにものでもありません。

その挙げ句にクーデターを起こした財政局の幹部達を英雄扱いするなど、その意識は市民と隔絶しており非常識以外に言葉が見当たりません。反対政党や議員たち、様々な団体が残したかったのは、市民にとっての大阪市ではなく、自分たちにとって都合の良い大阪市だったのでしょう。

大阪市の不所持が激しかったころ、テレビの街頭インタビューではおばさんが「大阪市役所は大阪市から出ていけ」と激怒しましたが、表面的にはおとなしくなったが、本質的には何も変わっていませんでした。本当にこんな大阪市を残して良かったのでしょうか…