ぼちぼちと都市に暮らす

住んでいる大阪の街についていろいろとかんがえてみる。

都市の未来はどうなるのだろうか

これまでは主に都市制度についていろいろと思うところを書いてきました。今回のブログは都市の未来について、ちょっと考えて見ようと思います。

未来の都市はどのようなものでしょうか。SF映画に出てくるように空間を移動し、すべてはネットワーク化された近未来都市のようなものでしょうか。流石にSF映画のような世界は10年や20年では実現することはないと思います。未来の大都市はこんな風になるなど恐れ多くて言えませんが、鍵になるいくつかの特徴を挙げてみたいと思います。

未来社会をネットなどを見ていると、多くが2050年が一つの節目としています。今年が2020年ですから、あと30年後ということですね。

2020年から30年前だと1990年ですから、日本ではバブルがピークの頃です。変化があったと言えばあったし、それほど劇的な変化はななかったと言えるかもしれません。例えば家の中を見渡せばテレビ・冷蔵庫・エアコンなどは揃っていましたし、自動車も普及していました。

ただ大きく代わったことと言えば「インターネット」の普及でしょう。インターネットは社会構造を完全に変えてしまいました。初めは電話回線を使ったパソコン通信でしたが、やがてブロードバンドになり高速で、かつ常時接続が普通の社会になりました。Googleやアマゾン、フェイスブックなど巨大IT企業も誕生し、この30年の間で最も激しく進化したものはIT技術です。

未来の都市を考える上でもITは最大の要素になると思います。それは今年のコロナウイルスの大流行によって、テレワークが導入され非常に普及しました。数日前に静岡県の熱海の不動産が加熱しているというニュースを見ましたが、東京都内に拠点を残しておいて、大半は熱海でゆっくりと暮らしながらテレワークで仕事をするという生活です。これが定着するならば、これまでの都市集中型ではなく地方分散型に進んで行くのかもしれません。

もう一つのキーワードは「SDGs」です。
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。

SDGsの目標とは

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくり
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう。

全部で17の目標を掲げています。

f:id:fuku290:20201203122627p:plain

日本政府も内閣府地方創生推進室により「SDGs未来都市」が選定されています。2020年の現在では33都市が選ばれ大阪市も選ばれています。

大阪市の選定内容は「2025年大阪・関西万博をインパクトとした「SDGs先進都市」の実現に向けて」というもので、25年の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン(Designing Future Society for Our Lives)」ですが、その中の大きな目的として「SDGsの達成とSociety5.0の実現にむけて」と謳っています。

SDGsは多くの目標があるのですが、大阪の場合は「健康と福祉」や「クリーンエネルギー」、「働きがいと経済成長」、「住み続けられるまちづくり」、「気候変動対策」などが該当するのだろうと思います。

Society5.0を日本政府は「超スマート社会」と定義しています。

狩猟社会(Society1.0)
農耕社会(Society2.0)
工業社会(Society3.0)
情報社会(Society4.0)

このように社会は発展してきましたが、来る社会はIOTやAIによる超スマート社会を目指します。2020年12月3日の記事でガソリン車の新車販売を2030年代半ばに禁止の方向で検討と発表しています。これは気候変動に対応するための取り組みですが、どれだけスマート社会はエネルギーや環境負荷の最適化を実現できるのでしょうか。

未来社会と都市の具体的イメージは、まだはっきりとしていませんが、多くの人が通勤や通学をしなくなるかもしれません。人が都市に集まることの利点が将来の社会では、逆に利点とはならないかもしれません。都市がAIやロボットにより労働が代替えされれば、仕事を求めて大都市に人が集まって来た過去とは逆に地方へ流出していくかもしれませんし、逆に集積がもっと進むのかもしれません。

日本の社会は戦後の中央集権体制を維持してきましたが、2020年のコロナウイルスを発端に2025年の関西万博をきっかけに大きく変化していくかもしれません。ひょっとすると統治機構改革として地方分権として実現するかもしれません。超スマート社会がこれからの都市問題として、少子高齢化や社会インフラ、経済衰退をどのようにコントロールして影響していくのか、これからの都市には大きな変革がもたらされるのではないかと思います。