ぼちぼちと都市に暮らす

住んでいる大阪の街についていろいろとかんがえてみる。

総合区で揉める維新と公明

昨日の産経新聞Webに『「政治家の不作為だ」総合区めぐり松井氏が公明を批判』と記事が出ていました。2020年11月14日の日経には『「総合区、前向きに議論」 公明大阪府本部の新代表』とあり、『総合区制度について「前向きに議論したい」』とありましたが、いったい何があったのでしょう。

記事を読むと公明党市議団の幹事長が、「医療崩壊も迎えるという大変な状況。今はそんな(総合区などの)話をしている場合ではないのでは」と発言したらしいのです。これに対して松井市長は「コロナ対応もやるし、大阪府市がばらばらにならないようにする議論もすべきだ」、「(住民投票で)11月1日に出た民意に対し、これはやるが、これはやらないというのは政治家の不作為だ。やらないためのこじつけにしか思えない」と強く批判したとのこと。

どうも公明党の思惑としては総合区の議論を先送りし、年明けの2月議会での提案を避けたいのではないかと思います。コロナ禍でそんなことをやっている場合ではないという理由は一面で了解できる反面、では大阪市議会は何をやってるんだと言えば、今日12月9日の委員会と本会議で大阪市議会は閉会です。

議会を閉会して何をやるのだと思いますが、公明党大阪が医療スタッフを手当したという話も聞きませんし、大阪市議会がコロナ問題のみ議論している訳でもありません。態度が二転三転し積極的ではない公明党に対して、松井市長がしびれを切らしたのでしょう。

公明党大阪市議団自身は2015年5月19日にツイッターでこんな発表をしています。

f:id:fuku290:20201209102610j:plain

公明党大阪市会議員団 2015年5月19日

その場を取り繕う公明党らしい振る舞いと言えばその通りですが、それならばコロナ感染が沈静化させ、来年の5月定例会で審議を約束すると言えば良いのではないかと思いますし、公明党市議団の幹事長と松井市長の発言を見ると、水面下で協議はしてないようです。

ネット上では大阪都構想が否決されたのだから、総合区など導入する必要はないという意見があります。また、府市一元化条例も大阪市の権限を奪うことを諦めてないという批判もあります。

しかし、それはあまりにも極端な考え方で、11月1日に大阪市民に問われたものは、「大阪市を廃止して特別区を導入する」ということについての判断です。事前調査の反対理由も①大阪市が廃止される ②住民サービスが低下する というものでが多かった。

住民投票の1年半前の知事市長のダブル選挙の結果と今回の住民投票結果を総合的に判断すれば、(1)二重行政はやめてほしい (2)大阪市は残してほしい (3)引き続き大阪市を良くしてほしい  このような結論が考えられます。

管理人自身は総合区にはそれほど期待していませんが、少しでも中之島から住民に近いところに分権が進むことには賛成です。可能ならば総合区には公選区長制を導入してほしいところです。

松井市長は公明党大阪市議団が、総合区に前向きでない場合には、次期衆議院選挙で公明党候補者へ対立候補を擁立すると発言し、SNSでは「脅し」と批判が爆発しています。大阪都構想も総合区もですが、行政制度を変えることへの議員達の抵抗の大きさには本当に驚くばかりです。

これからどのように進展していくのか分かりませんが、泣いても笑っても来年の10月21日が衆議院議員の任期ですから、選挙を睨んでの対立と駆け引きが続くのでしょう。